答案のおとし所

(元)司法試験受験生の立場から、再現答案のアップしたり、日々の勉強での悩み、勉強法などについて書いていきます。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【再現答案】令和2年司法試験 行政法 C評価

1 再現答案 2600文字 2 分析 ※太文字は試験中の思考 1 再現答案 2600文字 第1 設問1 小問⑴ 1 前提として計画自体の処分性 ⑴ 「処分」(行政事件訴訟法(以下行訴法という)3条2項)とは、公権力の主体たる国又は公共団体の行為のうち、その行為によって直接…

【再現答案】令和2年司法試験 憲法 A評価

1 再現答案 3238文字 2 分析 ※太文字は試験中の思考 1 再現答案 3238文字 第1 規制① 持続可能な地域交通システム法(以下単に法とする)3条1項が、生活路線バスを運行する乗合バス事業者のみが高速路線バスを運行する事業者になることができるとすることによ…

【再現答案】令和2年司法試験 労働法(集団的労働関係) 50(こちらの方が良い)

1 再現答案 2204文字 2 分析 ※太文字は試験中の思考 1 再現答案 2204文字 第1 設問1 1⑴ Eは、労働委員会に対して、AがEの求める団体交渉に応じないことが、労働組合法(以下省略)7条2号に反するとして、団体交渉命令及びポストノーティス命令を求めて救…

【再現答案】令和2年司法試験 労働法(個別的労働関係) 50(こちらが悪い)

1 再現答案 1855文字 2 分析 ※太文字は試験中の思考です 1 再現答案 1855文字 第1 設問1 1 Xの主張 まず、Xは月間総労働時間が180時間を超えた月の労働時間の内180時間を超えない部分における時間外労働及び月間総労働時間が180を超えなかった月の労働時間…

【再現答案】令和元年(平成31年)司法試験 民法 A評価(逆構成+過失の書き方+有効性と対抗問題)

1 再現答案 3148文字 2 分析 ※太文字は試験中の思考 1 再現答案 3148文字 第1 設問1 1 甲建物の所有者*1 ⑴ 建物請負契約(民法(以下省略)634条)における目的物の所有権は、請負人に帰属するのが原則である。たしかに、土地利用権限のない請負人に建…

物権法の処理手順+結論の妥当性(平成23年予備試験 民法)

(2020.04.13) 1 はじめに 2 分析(物権法の処理手順) 3 分析(結論の妥当性) 1 はじめに 同問については、解説が乱立しているという印象を抱いていたので、自分なりに検討を加えてみようと思いました。 2 分析(物権法の処理手順) 解説① 受験新報編集部…

令和元年(平成31年)公認会計士試験論文式 企業法

(2019.08.28) 1 経緯 2 検討 3 備考 1 経緯 縁あって公認会計士試験(企業法)を解く機会をいただきました。 司法試験の知識を前提にして解くとどのようになるのか検討していきます。 なお、司法試験合格資格があると、短答式及び論文式の一部(企業法、民…

必要的共同訴訟(平成23年司法試験 民事訴訟法)

(2019.08.22) 1 結論 2 分析 1 結論 固有必要的共同訴訟と通常共同訴訟の区別 実体法的観点を基準としつつ、訴訟法的観点をも加味して、総合して判断する等が一般的な論証であると思います。 注意すべきことは、2つあります。 1つは、固有必要的共同訴訟に…

仮処分(平成21年・25年司法試験 商法)

(2019.08.01) 1 Twitterアンケート(2019.08.01) 2 結論 3 分析 1 Twitterアンケート(2019.08.01) 会社法で差止めが問われたときの書き方①「保全すべき権利」(民事保全法23条2項)②保全の必要性」(民事保全法13条1項)③差止め請求権(被保全権利)— …

共謀の射程(平成20年司法試験 刑法)

(2019.07.24) 1 前提 2 分析 3 検討 1 前提 60条が一部実行全部責任の原則を定める趣旨を、結果に対する因果性を生じさせたことと捉えます。 また、共謀共同正犯の成立要件を、①共謀(単なる意思連絡)、②共謀に基づく一部の者の実行、③正犯性と捉えます。③…

競業避止義務(特に事実上の主宰者)(平成27年司法試験 商法設問1)

(2019.07.18) 1 事案 2 結論 3 分析 1 事案 甲社取締役B 乙社代表取締役D(乙社株式100%→10%) Dから譲り受け→B(乙社株式90%)がDを介して事実上取引を行う 2 結論 取締役会設置会社において、「取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属…

同種前科による犯人性立証(平成28年予備試験 刑事訴訟法設問2)

(2019.07.08) 1 結論 2 検討 1 結論 前科証拠の証拠能力が肯定されるためには、自然的関連性に加えて、法律的関連性(実証的証拠の乏しい人格評価によって誤った事実認定がされるおそれがないこと)が必要です(H24.9.7)。 これは不確かな推認(前科→犯罪…

抵当権に基づく搬出物の(抵当不動産への)返還請求(平成17年旧司法試験 民法設問2小問2)

(2019.07.05) 1 Twitterアンケート(2019.4.25) 2 結論 3 分析 1 Twitterアンケート(2019.4.25) ①公示の衣説、②善意者取得説が存在し、多くの方が①を採用していると思います。抵当権不動産上の付加一体物(民法370条本文)が、搬出された場合、— むー (…

間接正犯(平成25年司法試験 刑法)

(2019.07.04) 1 Twitterアンケート(2019.4.25) 2 結論 3 分析 4 検討 1 Twitterアンケート(2019.4.25) 間接正犯の法律構成としては、①実行行為性アプローチ、②正犯性アプローチが存在し、多くの方が①実行行為アプローチを採用していると思います。刑法…

横領後の横領(平成24年司法試験 刑法)

(2019.07.04) 1 結論 2 分析 3 おまけ 1 結論 同論点については、よくある論パ(高裁ベース)で処理する方がほとんどかと思います。 先行行為が抵当権設定、後行行為が売買契約というのが典型例で、先行行為では所有権侵害が(比喩的に)半分であり、後行…

はじめまして(jugemブログから引越し)

(2019.06.12) 1 目的 2 経緯 1 目的 受験生の視点から、①答案の落とし所及び②答案における思考過程について書いていこうと思います。 ①は、答案作成に向けた事前準備としての枠の把握(どの要件との関係か、規範のどの部分との関係か等)、理解・記憶を内…